エルグレコ「受胎告知」と聖書が記す処女降誕について

エルグレコ「受胎告知」と聖書が記す処女降誕について



エルグレコ(El Greco)(1541~1614)作の「受胎告知」は倉敷市の大原美術館に所蔵されています。


大原美術館にとっても代表作品と言えます。


エルグレコの本名は「ドメニコス・テオトコプーロス」といい、ギリシアのクレタ島の出身です。


「エル・グレコ」というのは古いスペイン語で「ギリシア人」という意味があるそうです。


ベネツィア、ローマ、スペインで活躍した画家です。


キャプチャ.JPG




処女マリヤ


絵画の中のおとめマリヤは若々しく、当時の結婚適齢期は男性が18歳~20歳、女性は12歳~14歳くらいだったと言われています。


ふつう、1年間ほどの婚約期間を過ごし、結婚をしていたようですが、現代よりも拘束力が強かったため、もし万が一婚約破棄の場合、離婚の手続きが必要だったそうです。



御使いガブリエル


処女マリヤへの「受胎告知」の前に、バプテスマのヨハネの父・ザカリヤに現れたのと同じ御使いがマリヤのところにも神から遣わされてきたと書かれています。


ザカリヤの妻・エリサベツが身ごもってから6か月目のことでした。


マリヤはそのころ、ガリラヤの「ナザレ」という町に住んでいました。


御使いガブリエルがマリヤに言った言葉は次の通りです。


「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。」(ルカの福音書1章28節)


ひどく戸惑ったマリヤに、ガブリエルが伝えた内容は


・怖がることはない。あなたは神から恵みを受けたのです。(30節)


・あなたは身ごもって、男の子を生みます。名をイエスとつけなさい。(31節)


・その子はすぐれた者となり、いと高き方の子と呼ばれます。また、神である主は彼にその父ダビデの王位をお与えになります。(32節)


・彼はとこしえにヤコブの家を治め、その国は終わることがありません。(33節)


というものです。



マリヤは御使いに言いました。


「どうしてそのようなことになりえましょう。私はまだ男の人を知りませんのに。」(34節)


それに対して御使いが答えたことは、そのことは聖霊によるものであること、


生まれるものは聖なる者、神の子と呼ばれること、不妊の女と呼ばれていたエリサベツも身ごもって、すでに6か月になっていることを挙げ、「神にとって不可能なことは一つもありません。」(37節)と語るのです。


マリヤは「ほんとうに、私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように。」(38節)と答え、このことを受け入れました。


ここにマリヤの信仰が表わされています。


当時、結婚前に妊娠するということは「姦淫の罪」に当たり、旧約聖書の律法に従って石打ちの刑にされることが慣例だったのです。


それは「恵まれた方」というよりむしろ、大変、自分の身に危険が及ぶことが予想される出来事でした。


しかし、38節までのやり取りの後、御使いガブリエルはマリヤから去っていきます。



ですから、エルグレコの「受胎告知」の絵画は、この短いやり取りの中のいずれかの場面であると言えます。


絵画では、マリヤが本を読んでいるところだったという設定になっていますが、どんな本だったのか・・・?


きっと旧約聖書か、救い主到来の預言が書かれていた預言書か?などと想像させられますね。




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